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ここで、アジアの国をみてみることにします。日本の都道府県のどこよりも罹患率が高い国というと、カンボジア148.6、モンゴル116.3、パラウ88.2、パプアニューギニア177.3、フィリピン294.5、ベトナム111.0、香港111.7、マカオ129.7、ニューカレドニア111.4*、インド118.3、ネパール106.9などがあります。(*96年の数字)(グラフ5/表5)ちなみに日本人に人気のグアムは、94年に罹患率63.9という数字が出て以来統計が出ていませんが、増加傾向がみられたので最近はこの数字より高くなっているかもしれません。この数字と国々をみると(香港・マカオ、ベトナムなど)日本の海外渡航者がアジアの各国へ行って結核に罹ってくるという理屈も、納得できるような気がします。
しかし、視点を転じて結核罹患率の低いアメリカなどから見れば、日本からの渡航者や帰国者は結核に罹患しているのではないか、と疑われるかもしれません。アメリカは「2010年までに結核を撲滅する!」と宣言しているのですから、これを達成しようとするなら、輸入結核も水際で捕らえて国内に入ることを防止しなくてはならないはずです。現在60歳から70歳代の方が昔アメリカに留学したときには、結核に罹患していないことを証明するべく胸部のX線写真を携えて行く必要があったと聞いています。もしかしたら、そんな時代に逆戻りかも?? 診断・治療する医師の側にもより深い自覚が求められています。先日も、新たに近くの開業医さんで撮ったレントゲンで結核と言われた患者さんが某大学病院を受診したところ、INH一剤だけ投与され、おまけに「抗生物質なので2週間以上飲むと身体に悪い」とか言われた上、結核専門病院?を紹介されて、「何とかなりませんか?」とご相談にいらっしゃいました。 いまだにこんな非常識を言う医師がいるのか、と思うとがっかりです。これだけマスコミなどで大きく取り上げられ、医師会や各都道府県が結核診断・治療に関する教育をしているにもかかわらず、まだまだ一般的な知識さえ浸透していないようです。幸い、この患者さんはご紹介した国立療養所で快適に治療を受け、思ったより早く3ヶ月で退院されました。当然のことながら、まだ抗結核薬を数種類飲んでいらっしゃいます。 今、WHOが推進しているDOT(Direct Observed Treatment)の結果がWHOの レポートGlobal Tuberculosis Controlに詳しく載っています。新しく塗抹陽性で診断された患者さんの治療成功率は、DOTを実施している国で78%、実施していない国では38%となっており、DOT実施の有無により大きな違いがみられます。(2001年版)(表6)ちなみに日本は「Category 1 Non-DOTS, high incidence =10万人あたり10人以上の罹患率だがDOTを実施していない国」(表7)に入っています。しかし、いよいよ日本でもDOTを推進すべく準備が始まったようで、実施が徹底されれば、緊急事態宣言後も相変わらず増加している新規結核罹患者数に、歯止めをかけられるかもしれません。 表6
表7
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