写真6. 喀痰採取容器(スピュータム・コレクションシステム)
解説
●この菌種は呼吸器感染症の原因上位菌であり、さらに脳脊髄液や血液からも分離されます。
●喀痰培養検査では検体採取が重要であり、検査に価する痰を喀出させ、その肉眼評価を行います
(喀痰採取時の菌の飛散を防ぎ、容易に採取保管輸送が可能な専用容器を写真6.に紹介します)。
●S.pneumoniae は莢膜をもつグラム陽性双球菌であり、鏡検所見にて容易に推定可能です
(鏡検所見での成績は推定であっても、臨床への迅速報告が大切です)。
●S.pneumoniae は炭酸ガス培養の方が発育良好であり、5〜10%の炭酸ガス培養を推奨します。
●S.pneumoniae は中心陥没型集落が特徴とされますが、ムコイド集落も高頻度にみられます。
●同定にはオプトヒン感受性検査(この場合は好気条件)を実施しますが、まれにオプトヒン耐性菌も見られるので、胆汁溶解試験を必ず実施して下さい。
●PRSP、PISPも危惧されていますので、薬剤感受性検査ではペニシリン耐性・感受性の有無を確認して下さい。