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第92回日本感染症学会西日本地方会学術集会
第65回日本感染症学会中日本地方会学術集会
第70回日本化学療法学会西日本支部総会 合同学会
モーニングセミナー2

開催地 長崎
会場 第5会場 出島メッセ長崎 1F会議室103
開催日時 2022年11月5日(土) 7:50 ~ 8:20
備考 本セミナーにご参加いただくには、学会登録が必要となります。
詳細は学会ホームページよりご確認ください。
※本セミナーは整理券制ではございません。直接会場へお越しください。

共催:第92回日本感染症学会西日本地方会学術集会
   第65回日本感染症学会中日本地方会学術集会
   第70回日本化学療法学会西日本支部総会
   日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

知っておきたいバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)

座長:八木 哲也 先生 名古屋大学医学部附属病院 中央感染制御部
演者:宮﨑 博章 先生 小倉記念病院 感染管理部

抄録

本邦でのバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の報告はまれである。
しかし、当院は2007年に初めてバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の検出以来、2022年9月まで第3波の真っただ中にある。
まず第1波は2007年から2016年まで、vanB E.faecium ST78、次に第2波は2020年からvanA E.faecium ST1421、現在の第3波は2022年からvanB E.faecium ST17によって構成されている。
遺伝子解析により、いずれの流行も1つのクローンから波及していると考えている。現在、当院では2つの大きな問題が存在している。
初めに、第1波のvanB E.faecium ST78と第2波のvanA E.faecium ST1421は薬剤感受性試験で、バンコマイシンに対するMICが16μg/mlを超えない株が存在しており、いわゆる「ステルス型」を呈している。
現在の感染症法では、「ステルス型」のVREは報告されていない可能性がある。
次に、VREが一旦消化管に定着すると陰性化に1年以上かかる症例もあるが、本邦での陰性化判定の明確な指針や基準がなく、現状ではVREの報告が実態を反映せず、また拡散を防止できていない可能性がある。
今回、当院のデータの解析から、VREの基礎、スクリーニング、感染対策を踏まえて問題点を解説する。