大曲 検査室はより早期からできるだけ精度の高い検査結果を臨床に知らせることに努め、臨床医はその情報の不確実性を踏まえた上で適切に判断し、自身の責任において治療方針を決めることが重要です。私はこの点を10年以上前から指摘していますが、このような取り組みを評価する仕組みがなかったこともあり、あまり進んできませんでした。したがって、こうした取り組みにより医療の質の向上に対し、なんらかのインセンティブが得られるような仕組みを整える必要があると思います。
また近年、新世代の微生物検査機器(微生物同定機器、感受性機器)が登場し、従来の検査方法と比べて検査の迅速化が加速しています(図2)。こうした機器を使用して微生物検査の期間が短縮したり、治療期間や入院期間が短縮したことに対しても、適切な診療報酬体系を整備していく必要があると考えています。
図2. 迅速化した微生物検査のタイムライン