運天氏
中央検査室は、臨床検査技師34人(うち非常勤7人)、事務職員1人の計35人が在籍。検体部門は生化学から一般、輸血、細菌、病理までを行い、生理部門は採血室、無呼吸外来室、血管造影室、3つの関連診療所での超音波検査(各週1回半日)などの業務を幅広く行う。
検体数は、夜間を含め1日平均1580件。技師長にあたる運天芳浩検査室室長は、在院日数の短縮に伴う検査ニーズの増大や救急患者数の増加などにより、病院新築移転後から現在までの10年間で検体数は2~2.5倍に増加したと説明する。
地上8階建ての病院の4~8階にある病棟からは時間を問わず、専用のリフトにより3階の検査室に検体が到着する。また、一部を除き血液ガス分析装置も検査室で管理し、重篤の救急患者が到着するとさまざまな検査オーダーが届く。さらに細菌検査は夜間帯でも培養検査まで行う。近年、検査業務が増加し、検査業務の負担軽減や効率化が課題になっているという。
業務量の増加にあわせて18年5月には、夜勤体制を1人から2人に拡充した。休日は検体部門の2人、平日は検体部門、生理部門各1人とし、生理部門の夜勤者は平日夜9時まで、呼び出しで心電図や超音波検査に対応する。働く世代の診察のため以前行っていた夜間診療を受け継いだ体制になっている。
インフルエンザ検査件数は年間1万1105件(17年度)と全国的に見ても多い。うち55%を小児などの救急患者が占める。
検査室は、流行期にインフルエンザウイルス検査が集中し検査に使うタイマーが不足するなどの課題に直面。約10年使ってきた検査キットの更新の検討に入った。その結果、以前のキットに比べてコストは上昇するものの、検査感度の向上を求める臨床側の後押しもあって、BD ベリター™ プラス アナライザー(写真①)の採用が決まった。運天氏は、検体検査を普段行わない生理部門の検査技師も夜勤に入ることを考えると「誰でも簡単にミスなくできるようなシステムが必要だった」と話す。