図11 コロニー検出を受信したスマートフォン
マイクロコロニー法の1つである「タイムラプス影像解析法(Time-Lapse Shadow Image Analysis)」に基づいて製品化されている全自動迅速微生物検査装置MicroBio μ3D™の特徴や応用分野について紹介したが,迅速性や正確性の向上以外にも,多くの特長があるので以下に列記する。
・省力化
➢ 本装置の導入に際しては,装置の導入コストはかかるものの,高価な試薬は必要なく,現在使用している寒天培地をそのまま使用できるので,ルーティンコストのセービングが可能である。
➢ 全自動でコロニー数を測定できるため,土日に出勤せずにデータを得ることが可能であり,休日出勤の低減につながる。
➢ 通報システムが標準仕様となっており,携帯電話やスマートフォンでコロニー検出画像を確認することができる(図11)。
・信頼性
➢ 画像データを保存することができるため,トレーサビリティーが高い(運用によってデータ保存内容を変更できる)。
➢ 社内LAN環境が整っている場合には,離れた場所でも機器コントロールができる。例えば機器は試験室,PCは事務所といった運用方法も可能である。
➢ 21 CFR Part 11対応ソフトがオプションとして準備されている。
➢ 機器故障の場合,寒天培地を別のインキュベーターに移し試験を継続できることや目視による試験もできる。
➢ 機器本体は,4温度帯の培養温度設定が可能となっている。また,その各温度帯は温度ロガーによって厳密に管理することができるため精度管理上優れた機能となっている(図12)。