メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が蔓延している病院での MRSA対策プログラムの費用と効果の比較を目的にフランスの大学病院の内科ICUで実施されたケースコントロール研究で、「ICU入室時の保菌者のスクリーニングと隔離は、隔離しない場合に比べ有益」であるとの結果が報告されている。
同研究は、入室時にMRSAの保菌率が4%であるフランスの大学病院の内科ICUで、1993年1月から97年6月の間に、ICUでMRSAに感染した 27例の無作為に選抜した患者と同時期に入室したMRSAに感染していない27例の対照患者を比較した。MRSA感染によるICU費用と MRSA対策プログラムの費用との比較を主なアウトカム評価項目に設定した。
費用効果分析結果によると、MRSA感染例は対照例よりも有意に多くの治療行為を必要としている。MRSA感染例の治療にかかる平均総費用は、対照群の費用を9275ドル上回った。この結果から、MRSA対策プログラムによって、MRSA感染率が14%低下すれば「費用効果的である」としている。