感染制御を始め、医療の質・安全の確保のためには、それ相応の人手やものといった医療資源が必要です。その消費を貨幣価値に表したものを原価(cost)と呼ぶわけですが、質と原価を結びつける概念として、品質原価1)という概念があります。
品質保証の重要性に対する認識が高まり、品質保証に関わらせて消費している資源を貨幣価値に表した原価を知るために提唱されたものです。
品質原価(quality cost)は、品質不良を発生させないように評価し予防するために発生した原価と、品質不良発生の結果、発生した原価とに分類されます。
前者を管理原価、後者を失敗原価と呼び、管理原価(品質適合原価)は、品質不良を予防するための活動に支出された原価(予防原価)と品質不良の有無を監視・検査するための活動に支出された原価(評価原価)とに分類されます(表1)。
このように品質原価を予防、評価、失敗(内部失敗と外部失敗)の原価に分類し集計することをPAFアプローチ(Prevention-Appraisal-Fail-ure approach)と呼びます。