今回対応した中で一番印象に残っていることは、スタッフが新型インフルエンザの患者さんへ送った手紙に対する感謝の返信でした。我々医療従事者から見れば、この患者さんは軽症者扱いとなるのですが、患者さんにしてみれば得体の知れない病気に罹患し、あたかも不治の病に犯されたような不安があったと思います。
退院の時は、感謝の気持ちを書き込んでくれた患者さんの心理を垣間見た瞬間でもありました。我々は感染防止対策と現場の指導、医療従事者への配慮ばかりを気にしていましたが、一番不安だったのが患者さん自身であったのは、当初気付かなかったことであり、非常に反省した点でもありました。
自分のこと、自施設のこと以外の、医療従事者として配慮すべき事を見失っていたようです。医療従事者の心理状態も含め、新型インフルエンザ対策に関わるメンタルヘルスにも十分に配慮し、第二波と言われる流行期に備えたいと思います。