Q1. 感染管理の組織体制について教えてください。
内田 :当院は病床数1217床、職員数約3500人、1日当り外来患者数3091人、入院患者数1日約1049人、入院患者平均在院日数(一般病棟)12.9日(2012年度)の急性期を担う大学病院です。院内の感染管理業務については、感染制御部と感染対策センターが共同して行っています。(図1)。
感染制御部には消化器内科や感染症内科、腎臓内科などの医師が所属しています。近年、感染対策重視の方針によって増員され、現在は6名のICDで業務を行っています。当院の感染制御部の特徴は、検査部・細菌検査室と密に連携していることです。検体中の微生物検査の結果など、細菌検査室で調査されたレポートが毎日感染制御部に渡るようになっており、情報を円滑に共有できています。また、大学院医学研究科に感染制御学講座が開設されており、同部の医師が教員として学生の教育や研究を行っていることも特徴の一つです。
一方、感染対策センターにおいても立ち上げ当初に比べてスタッフが増員され、現在5名の看護師(専従2名、兼任2名、時間雇用1名)で業務を行っています。兼任の2名は看護業務と並行して当センターの業務にあたっていますが、専従の看護師と時間雇用の看護師が在籍していることから、余裕をもって感染管理の業務を行うことができるようになりました。
また、感染制御部長が感染対策センター長を兼任しているため、より連携しやすい組織となっています。上記2部署に検査部・細菌検査室、薬剤部のメンバーが加わってICTを結成し、当院の感染対策を組織横断的に実施しています。ICTは病院長直轄のチームで多職種から構成され、チーム医療を実践しています。