図5 エボラ治療ユニットETUの様子
左・図6 エボラ対策用個人防護具の着脱訓練の様子
右・図7 模擬ETUでEVD生還ボランティアを前に研修
図8 EVD患者からの血液採取に関する説明書
エボラ対策チームに対する安全衛生の技術的助言活動の一つとして、エボラ治療ユニット(Ebola Treatment Unit, 以下ETU)にも幾度も訪問しました(
図5)。また、ETUに勤務するWHOスタッフ/コンサルタント等の労働環境を評価し、彼らの安全健康支援ニーズを確認するため、エボラ臨床ケア研修コース(The Ebola Clinical Care Training Course)にも参加し、患者の診療にも携わりました。ETUはリベリア保健省がWHOの支援で設置したものをはじめ、国境なき医師団(MSF)、欧米各国からの政府、NGO支援のユニット等が数多く設置されました。私が入ったETUには、約20名の患者が隔離されていました(ピーク時には100名以上の患者を隔離)。
ETUでのトレーニングの様子を
図6~7に示します(研修の詳細は拙稿を参照
4,5))。接触感染予防策が重視され、毎日手洗い訓練が行われるとともに、個人防護具の脱着訓練が繰り返し行われます(
図6)。整備された模擬ETUでは入室から退室の訓練をし、加えてボランティアのEVD生還者の協力を得ながら診療の訓練を行います。ゴーグルとマスクを着用しながら、医療面接、処方の対処方針の決定、静脈内補液などをシミュレーションし、会話や行動などが大きく制限されることを学びます(
図7)。トレーニングではエボラの診断や治療に関して、そして安全な血液の採取方法に関する教育も受けます(
図8)。