金光:アンケート回答者は医師11人、看護師11人、薬剤師10人、検査技師9人の合計41人(途中退出者1人)です。ほぼ同等の人数であり、バランスが取れていると言えるでしょう。
最初の質問である「感染対策について加算連携施設で相談可能な人がいますか ?」について「いる」と答えた医師は10人(医師全体のうちの90%)、看護師は11人(100%)、薬剤師は7人(70%)、検査技師は6人(66.7%)と、医師と看護師については「相談可能な相手がいる」との回答が多いようです。特に看護師については、感染管理認定看護師(ICN)のネットワークがうまく機能していて、ICNのいない施設も連携する施設のICNに相談できる環境が整っているようであり、相談相手がいないという看護師が皆無であったことは力づけられました。
その半面、薬剤師と検査技師で6~7割にとどまっていることがやや気がかりです。感染対策に特化している集団であるICNのネットワークにおいては感染制御について尋ねやすいのですが、薬剤師や検査技師が所属している薬剤師会・検査技師会が感染制御に特化しているわけではないとの背景もあるのでしょうか。
また、全員に「感染防止対策加算は自施設の感染対策のレベルアップに役立っていますか ?」を尋ねた結果は39人(97.5%)が「役立っている」と回答しています。これには本当に嬉しく思います。「こんなことで役立っている」という具体例があればご紹介ください。
医師:自施設で、たとえば標準予防策がなかなか徹底できないなどの問題があったときに、合同カンファレンスのデータを紹介して皆を説得しています。「錦の御旗」ではありませんが、県内の他の施設のしっかりしたデータがあることは説得力を増しています。
看護師:さまざまな研修に参加して県内の各施設のICNと顔見知りになることで、わからないことをその場で教えてもらえることは大きいですね。地域連携がなければできなかったことと思っています。
検査技師:「医大病院の感染制御部とうまく議論できるだろうか」と少しばかり敷居の高さを心配していたのですが、こうした合同カンファレンスを年に何度か行っていくなかで互いに知り合いになり、迷ったときには気軽に電話やメールできるようになったことはありがたいと思っています。
薬剤師:合同カンファレンスがきっかけになって、参加施設の薬局を見学したり、病棟での薬剤師の活動を生で見る機会を持てたりしたことは非常に有益な経験です。
薬剤師:当初は薬剤師として何ができるかわからないままに活動に参加していましたが、今では参加施設を訪れて有効な方法などを教えてもらっています。自分にとっても大いにプラスになっています。