5-1. <特別編>呼吸器感染症における迅速検査の意義とはなんでしょう

医療現場における最近の迅速検査キットの活躍には目を見張るものがあります。中でもインフルエンザの迅速検査キットの普及は目覚しく、今日では呼吸器感染を疑う患者さんが訪れる医療機関の冬の常備品ともなり、迅速検査キットが社会的に認知されるきっかけともなりました。

迅速検査キットは、医師が患者さんを診ながら、その場で速やかに病原微生物を特定するのに極めて有用な情報を与えてくれます。この『迅速に病原微生物を特定する』ことには2つの意味があります。すなわち、速やかに適切な治療を開始できること、および、必要であれば速やかに隔離などの対処を行い感染の拡大を防止できることです。これらがいかに重要であるかは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の例を見ても明らかであり、感染症の分野では、今後ますます迅速検査キットが活躍するようになると考えられます。

これら迅速検査キットが手軽に利用できるようになった背景には、『モノクローナル抗体』『イムノクロマトグラフィー』というふたつの技術が大きく関与しています。前者は従来では実現し得なかった高い特異性を、また後者は迅速性と手軽さを、迅速検査キットにもたらしました。この『イムノクロマトグラフィー』の中枢となる技術を開発したのがベクトン・ディッキンソン株式会社*であることをご存知でしたか?

弊社は、今後も呼吸器感染症分野を中心として次々と新しい製品を導入し、感染症のコントロールに貢献してまいります。

*全ての迅速検査キットがベクトン・ディッキンソン株式会社のイムノクロマトグラフィーの技術を使用しているわけではありません。