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欧米における滅菌済み真空採血管使用の標準化及び非滅菌真空採血管の危険性に関する報告


欧米における滅菌済み真空採血管使用の標準化

カナダ:法律により非滅菌真空採血管の使用を禁止

1978年12月健康福祉局(CHWA)は医療機器に関する法律を改正し、1979年4月1日より非滅菌真空採血管の使用を禁止した。


アメリカ:FDAが滅菌済み真空採血管の使用を勧告

食品医薬品局(FDA)は滅菌済み真空採血管の常時使用を義務づけてはいないが、メーカーおよび使用者に自発的に滅菌真空採血管を使用するよう勧告。
米国臨床検査標準化委員会(NCCLS)は、FDAから滅菌済み真空採血管の使用勧告を要請され、ガイドラインを滅菌済み真空採血管の使用を強く勧める内容に改正した。


ヨーロッパ:国際標準化機構(ISO)により滅菌済み真空採血管の使用を義務化

ISO6710によって、採血管の内壁に触れた血液が体内血流と接触する可能性がある場合には採血管を滅菌するよう義務づけた。

非滅菌真空採血管の危険性に関する報告

1974年12月 真空採血管の使用による敗血症の報告

カナダのオタワにある2病院で、非滅菌真空採血管使用によるセラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)起因の敗血症が5例発生。
[McLeish WA,et al:Contaminated vacuum tubes,Can Med Assoc J,112:682(Mar22)1975]


1975年8月 カナダ医療機器局がバックフローについて報告

カナダ医療機器局は静脈模型を用いた実験を行い、駆血帯を取り外す時に、腕静脈内圧と真空採血管内圧の差により、採血管から体内に血液の逆流(バックフロー)が認められたと報告。医療機器局は正しい静脈穿刺(真空採血管の栓を常に上向きにするなど)の励行が不可欠であると提言。
[Katz L,et al:Evacuated blood-collection tubes-the backflow hazard,Can Med Assoc J,113:208(Aug9)1975]