上記のような症状がある、特に高齢者や幼児の場合は、早めに医師の診察を受けましょう。鼻やのどから粘液を採取し、インフルエンザウイルスのA型かB型かをその場で判定できる検査もあります(迅速検査キット)。
つい最近A型のみに効果のある薬が使用されるようになりましたが、さらに最近ではA型にもB型にも効く抗インフルエンザ薬が広く使用できるようになりました。この薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があります(図1)。したがって、薬の使用が早ければ早いほど効果があります。発熱などの症状が出てから48時間以内に抗ウイルス薬を服用すると症状が早く改善されます。この薬の使用には医師による処方が必要です。ただし、薬の効果を過信せず、安静にして無理をしないことも大切です。
また、この冬は「インフルエンザ」と同じような症状である「SARS」の同時発生が懸念されており、インフルエンザウイルスの鑑別を迅速に行うことが大変意義があるといわれています。
図1:インフルエンザウイルスの増殖と抗インフルエンザ薬
グラフ2:抗インフルエンザ薬の投薬開始時間と投薬後の解熱症例比率との関係
グラフ3:インフルエンザ発症後48時間以内の乳幼児における抗インフルエンザウイルス薬の解熱効果