人間の体は、半分以上が水分で占められています。体の中の水分が不足すると血液や体液が濃くなるため、さまざまな影響がでてきます。粘液によって外敵の侵入を防いでいる粘膜も、水分が不足すると十分な能力を発揮できず、ウイルスや細菌などに侵入されやすくなります。十分な水分補給はのどの粘膜(気道粘膜)の繊毛運動を活発にして、ウイルスや細菌の体外への排出を助けます。
「かぜ」をひいてしまった時の水分補給は特に重要です。発熱や下痢、嘔吐などによりいつもより水分が体外へ排出されることが多いため、脱水症状を起こしやすくなっています。
特に乳幼児や高齢者は脱水状態に陥りやすいので、十分な水分補給を心がけてあげましょう。
脱水症状について
体重の2%にあたる水分が失われると、「強いのどの渇き、食欲減退」などの症状が現れます(体重60kgの人で1.2リットル)。さらに脱水が進むと、危険な状態となります。
のどの渇きを感じたり、食欲が減退する程度(体重の4%程度までの脱水)では、水やスポーツドリンクを飲むことで回復できます。温かいものより、10℃前後の冷たいもののほうが、体への吸収が速くなります。
脱力感や眠気、頭痛などの症状がある場合(体重の4〜6%程度の脱水)は、医療機関で点滴による水分補給を受けたほうが、早く回復します。それ以上の脱水の場合には、医療機関で緊急の処置を受ける必要があります。