1-3. 感染ルートを知ろう

経路では・・

人から人にうつる伝染性感染症とその原因となる病原体

・接触感染
患者に直接触れる、またはその患者が使用したものに触れることによって起こる。
腸管出血性大腸菌(O-157などのこと)、MRSA(エムアールエスエー;主に病院内で感染する耐性菌(特定の薬が効かなくなった菌)、ロタウイルス(下痢を起こすウイルス)など。

・飛沫感染
患者の咳、くしゃみ、会話などの時に発生する飛沫(細かい水滴、ツバキ)を、鼻や口から吸い込むことによって起こる。飛沫の飛び散る範囲は、だいたい1m以内。
インフルエンザウイルス、おたふくカゼ・風疹(ふうしん)の原因ウイルス、溶連菌(のどがはれる猩紅熱(しょうこうねつ)の原因菌)など。

・空気感染
患者の排出した飛沫核(ひまつかく)を鼻や口から吸い込むことによって起こる。飛沫核とは病原菌を含む飛沫が乾燥したもので、軽いので長時間漂う。
結核菌、麻疹(はしか)の原因ウイルスなど。

人から人にはうつらない非伝染性感染症とその原因となる病原体

イラスト:虫、オウム、キツネ
・動物や昆虫から
オウムや鳥から感染するオウム病(クラミジアと言う細菌が原因)、キツネや犬から感染するエキノコックス症(エキノコックスと言う寄生虫(の卵)が原因)、ネコなどから感染するQ熱(キューねつ;リケッチアと言う細菌が原因)、ネズミから感染するペスト(ペスト菌という細菌が原因)など。

・土の中などにいて傷口などから
破傷風(破傷風菌という細菌が原因)。

・食べ物から
食中毒(サルモネラ、赤痢菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ボツリヌスなどの細菌やSRSV(小型球形ウイルス)と言うウイルスが原因)、コレラ(コレラ菌と言う細菌が原因)など。
食中毒には菌そのものが悪さをする “感染型” と、菌の作る毒素が悪さをする “毒素型” があり、感染型の代表がサルモネラ、腸炎ビブリオで、毒素型の代表がボツリヌス、黄色ブドウ球菌、大腸菌O-157。