1-6. 感染症予防法

100年以上前に制定された伝染病予防法を改訂し、1998年10月2日に制定、さらに2003年10月16日に改正・公布され、2003年11月5日に施行された、国民を感染症から守るための法律。

WHO(世界保健機関)から出された「我々は、今や地球規模で感染症による危機に瀕(ひん)している。もはや、どの国も安全ではない。」と言う警告を重く受け止め、現在の、感染症(結核以外;結核は結核予防法で対応)の予防と、伝播(でんぱ;伝わって広がること)防止へ対応できるよう制定された。

特徴は感染症の類型化にあり、症状の重さや感染力の強さなどから、新感染症、指定感染症、1〜5類感染症に分類。一番危険性が低いと考えられる4類感染症では、保健所への届出の有無についても定められている。

尚、罹ったからと言って後に差別を受けないよう、人権上の配慮もなされている。

新感染症

重症で危険性の高い感染症で、今までに知られていないもの。原則直ぐに入院、隔離。

指定感染症

1〜3類に分類されないが、それらに準じた対応が必要なもの。
対応は政令(内閣が定める命令)で指定される。SARS(サーズ)はここに分類。

1類感染症

SARS、ペストやエボラ出血熱など。原則入院。

2類感染症

コレラや細菌性赤痢など。必要であれば入院。食べ物を扱う仕事をすることなどは制限される。

3類感染症

腸管出血性大腸菌(O-157など)。食べ物を扱う仕事をすることなどは制限される。

4類感染症

ウエストナイル熱、狂犬病、マラリア、レジオネラ症など。

5類感染症

ウイルス性肝炎(A型肝炎及びE型肝炎を除く)、エイズ、インフルエンザ、RSウイルス感染症、一部の耐性菌感染症など。